じつは商標登録していない老舗の商品こそ、危険です

「商標を登録してないけど、今まで何の問題もなかった」
「出願と登録と更新にお金がかかるだけで、実入りがない」
「メリットを実感しにくい」
といったご相談を、よくいただきます。
しかし、本当にこのままの状態で良いのでしょうか?
まず、「商標を登録してないけど、今まで何の問題もなかった」について、一緒に考えてみていただきたいのです。
確かに、今後も問題がないかもしれません。
しかし、絶対にそうと言い切れるでしょうか。
偶々運がよかっただけかもしれません。
例えば最近ではインターネットの普及によって、誰でもホームページを持ったりネット販売が手軽にできるようになりました。
この結果、全国や世界相手といった商売も可能となりましたが、その反面、今までは販売地が違うなどの理由から気が付かなかった「商標権の侵害」が目立ちやすくなってきています。
 

インターネット時代こそ、商標権を守るべき

 例えば、今まで使ってきた自分の屋号が、実は他人の商標権を侵害していたけれど、
これまでは商標権者も気付かなかった。
でもネット販売を始めたら、商標権者の知るところとなって、
商標権侵害の警告書が届いた、という話があります。
 また、ネットで有名になると、日本中、世界中の誰もがそれを真似できるようになるため、たとえ自分が考えたブランドであっても、
それを他人が先に商標登録出願してしまうということも考えられます。
商標は特許と違って、新しくなくてもいいので、
商品を先に販売した後でも取ることができます。
そして、「早い者勝ち」が基本です。
自分が先に販売したから、という理由は通らないので、
最悪、自分で売って有名にしたブランドなのに、他人に商標を盗られて、
しかもその他人から使用を差し止められるという事態になりかねません。

「クレヨンしんちゃん」が中国で名乗れない理由

 有名な事件では、双葉社の「クレヨンしんちゃん」の事例があります。
双葉社の「クレヨンしんちゃん」は、
中国で他社に商標登録されてしまったがために、
本家が中国で名乗れないという事態となっていました。
 不謹慎ないい方で恐縮ですが、
ある意味、商標権の問題というのは、
事故や天災と似たような捉え方ができるかもしれません。
今まで何もなかったから、今後も安心ということはできないのです。
 そして、このような事故を予防するための有効な方法として、
商標登録出願をしておくことが検討できます。
 

大切なブランドを護る、という考え方をプラスして

 例えば、商標登録しないでビジネスを展開し、
仮に他社から商標侵害をいわれたら、
ブランドを変更してもいいよ、というのであれば、
商標登録しなくてもいいかもしれません
(この場合でも損害賠償責任は発生します)。
しかし、
自分で育てたブランドには愛着もあるもの、
ある日突然他社から「この名前を使わないで」といわれて納得できるでしょうか。
ブランドを育てるという大事な作業に、
育てたブランドを護る、という考えも、是非プラスしておいてください。
安心してビジネスを展開するために、商業登録は必要なことだと認識していただきたいのです。
当事務所では、商標登録についても初回無料でご相談を受け付けております。
ぜひご連絡ください。お待ちしております。