トップインタビュー #01 豊栖康弘(トヨス ヤスヒロ) ( 弁理士法人 豊栖特許事務所 所長 )
徳島県内には、特許事務所が2つだけ。
しかも法人化されている特許事務所は、こちらの豊栖特許事務所だけです。
特許事務所として徳島で開業されてから、50年。最初から順風満帆だったのでしょうか?
ありがたいことに開業当初からたくさん仕事をいただき、
それに対処できるようにと努力することでどんどん事務所が発展してきました。
うちは息子も弁理士ですが、
2人合わせて、これまでに1万件以上の特許申請をさせていただいています。
仕事をするうえで大切にされていることは何ですか?
常に大切にしているのは、
【お客様が何をしてほしいのかを的確につかむ】
という事です。
相手の気持ちや要望をきちんと読み取って、
適切なお手伝いをすること。
これこそがプロの仕事だと思っています。
また、これは仕事だけの話ではなく、生き方にも通じると思っています。
仕事のやり方や理念というのは、その人の人生の過ごし方や理念に重なるものです。
もっと言えば、
「なんで生きるのか」「なんで働くのか」ということを自分に問いかけることで、
生き方も変われば仕事の仕方も変わってくる。
仕事を通して社会に貢献すること。
自分がより多くのものを与える事で、社会からはその何倍も与えてもらえるものです。
そのことに気づき、ちょっとでも社会にお返しできるように誠実に仕事をしていくことが大切だと思っています。
もうひとつ大切にしているのは、
【目標設定をする】
ということです。
ビジョンや目標設定というのは、
仕事でも人生でも非常に大切だと思っています。
特許事務所としての今の目標は何ですか?
私たちの事務所の今の目標は、少し抽象的になりますが
【業務を通じて地域企業の「技術」を守り、地域独自の発展に貢献すること】
です。
人の優秀さは、都会も田舎も変わりません。
田舎だから劣っているわけでもないし、都会だから一概に優秀というわけでもありません。
ただ、同じ能力を持っていたとしても、
それを活かせる場所を考えると、一般的にはやはり都会のほうが有利です。
これは企業も同じでしょう。
田舎の企業と都会の企業を考えると、「チャンス」が巡ってくる回数が断然違うんですね。
そんななかでも「特許」は、
地方の中小企業に「チャンス」をもたらす大切な武器になります。
私たちが扱う技術の分野では、
地方が地方であることのデメリットを超えるケースが多くあります。
田舎の企業が都会の企業と肩を並べたり、
ときには田舎の企業が、独自の顧客を育て大きく発展することだってある。
「特許」を上手に扱うことによって、田舎の企業が都会の企業を凌駕することも可能になるのです。
田舎の企業こそ、「特許」などの知的財産に敏感になり、
保護しながら発展して行くことが大切なのです。
私たちの事務所は、業務を通じて地域企業の「技術」を守り、
地域独自の発展に貢献したいと考えています。
「発想」を守り、「新しい技術」を保護する。
そうして社会の発展に貢献することが、
私たち特許事務所の役割だと思っています。
最後に、豊栖特許事務所の特徴を教えてください。
私たちの事務所は、
【お客様の「発明」について一緒に楽しく考えて、
「発明」の完成度をより高めていく点】
に特徴があります。
じつは所長の私自身も、
大学の医学部と共同で新しい医療機器を開発中です。
特許もいくつか持っています。
発明は世の中を明るく照らし、便利にするもの。
強い特許取得に向けて、お客様と一緒に楽しく考えていくことを心がけています。
もうひとつの特徴は、
【職員の優秀さ】
です。
私たちの事務所は徳島という田舎にありますが、
アメリカなど海外向けの案件が年間100件近くあります。
また、逆に海外からの依頼案件(この業界では「外内(がいない)」と呼ばれる案件)もあり、
地方の事務所としては珍しいと思います。
それもこれも、優秀なスタッフのおかげです。
英語一流、技術一流の翻訳マンがおり、
10年以上勤務してくれているスタッフも多く、
本当に恵まれていると感謝しています。
ありがとうございました。